オトテールモデル
他の黒檀と同じく、10年乾燥させたものです。
象牙は「ソフト」(写真上)。「ハード」(写真真中)。黒檀のみ(写真下)
オトテールモデルは、「ベルサイユピッチ」…約392Hz(A)になります
現代のピッチからみると一全音低いわけです。
いわゆる「フラウト・トラヴェルソ」の最も最初の型といえます。
(オトテールの書いた教本が、1700年代初頭に発行されているので
その時点でオトテールの楽器がある程度普及していたと見ることができます。
「スティンズビィ」や「ロッテンブルク」はその2〜30年あとにでてきます。)
初期のフルートは、このオトテールのように「3本継ぎ(3分割)」でしたが、
のちに、ドイツで「フラウト・トラヴェルソ」が「ジャーマンフルート」として
大流行した頃には、「4本継ぎ(4分割)」となっていました。
その後、トラヴェルソはこの「4本継ぎ(4分割)」が主流となります。
装飾について………派手な装飾がついている理由
オトテールは宮廷のお抱え製作家一族でした。ミュゼット類(バグパイプ)などの
製作を得意としていたため、ともすると、派手な感じの凝った装飾が
つくようです。
☆本来は、フランス音楽の特徴である倍音の多い明るい音がでるものと
思われますが、上手に鳴らしきるのは大変難しい楽器です。
({メンズ−ル(管体の内側の形)}がのちのフルートよりも
円筒に近いため、第三オクターヴが出しにくく、音程のバランスをとるのも
難しくなっています。)
どのトラヴェルソもそうですが、管体同士の接合部は、
糸を巻いた上から蜜蝋を塗っています。