



・「トラヴェルソ」について
・画像が古いのですが、主人作のトラヴェルソ達です♪
(*画像のところにそれぞれの詳しい解説を載せています。)

「フラウト・トラヴェルソ」....簡単に言うと、バロック時代のフルートです。
黒檀や柘植などで作られた、バッハやヘンデルの時代の横笛です。
時代とともにキィの数が増え、管の材質が金属になり、今のようなモダンフルートに変身しましたが、
もともと、バッハ・ヘンデル・ヴィヴァルディ・テレマン等のバロック時代の作曲家達は、
この「トラヴェルソ」のために数々のフルートソナタ・コンチェルト等を生み出したのです。
ピッチは現代と比べると、約半音低いものがほとんどです。(当時は地方によって、演奏される
基準ピッチはばらばらでしたが、おおむね、今より半音低い感じのところが多かったためです。)
近年、「作られた当時そのままのスタイルで音楽を演奏すること」に意義を感じる人達が
増え、トラヴェルソを楽しむ方たちもかなり増えてきました。
なんといっても、現代のフルートにはない、暖かく穏やかな木の響き、人の息吹に近い趣が魅力です。
有名な演奏家の方々は、「オリジナル」(バロック時代に作られた笛そのもの)を
お持ちですが、一般の愛好家はオリジナルの良質なコピーで楽しんでいます。
ヘンデルと同時代のロンドンの製作家"スティンズビィJr."、
1700年代前半から活躍したドイツの "ロッテンブルク"一族、
1700年代後半〜1800年代初頭ドレスデンで活躍した "グレンザー"
等々のモデルが有名です。


これは全部、主人作のものです。(モダンフルートを除く)
中学生の頃から「トラヴェルソ」の魅力にとりつかれていた主人は、
ほそぼそと独学で作って吹いたりしていたのですが、
どうしても本物が欲しくなり、(といっても本物は高いので..)
仕事をやめて、信州の某製作家の方に教えを請うて、本格的に製作を始めました。
おかげで私は、いろいろな種類の笛を吹く機会に恵まれて、お金持ちというわけでも
ないのに、ぜいたくな思いをさせてもらっています。

黒檀・象牙(ソフト)製、ハンス・コルスマの楽器データをもとに製作

柘植・象牙(ハード)製、アンドレアス・グラットの楽器データをもとに製作

黒檀・象牙(ハード)(ソフト)製・黒檀製、
グラーツの博物館所蔵の楽器データをもとに製作
*おまけ

黒檀・象牙(ソフト)製
外観のみ、1700年代イギリス"ハレット"のコピー
内径はオリジナルの設計です。
*おまけ

グラナディラ製
フィリップ・ハンミッヒ社製作(木の音色がとことん好きなので、
モダンを吹く時はこれを吹いています。)

全員集合!!